雫side
今日何でこんなに天気がいぃんだろ
こんな日って外に出たくなるんだよなあ♪
あたしはそんなノンキな事を思いながら
校舎から出るために靴箱に向かった。
………ズキッ
…何…あれ…
何してるの?
あたしが見たものは…熊谷と綺麗な女の人が手を繋いでいるところ…。
な、なぁんだ…熊谷ちゃんと彼女いるじゃん。な、ならあたしが彼女なんかにならなくたっていい…じゃん…
そう思うのに胸が痛い…痛くて痛くて仕方ない。何なの…この気持ちは何?
あぁ〜あ、せっかくいい気分だったのにあいつのせいで台なしだよ…

あたしは教室に戻り、友達と楽しそうに喋ってる奈々のところへ向かった。
「奈々…相談が…あるの」
『ん?どした?...ごめん…ちょっと抜けるね』
奈々はいつだってそう…あたしの事1番に考えてくれてる。あたしはそんな奈々が大好きなんだ…

奈々に全てを話した。
今までの事もふまえて、その時思った事とか全て…
『あんたさ…そこまで来といて気付かないって相当な鈍感野郎だね…』
「え?」
『あんたは…間違いなく熊谷が好きなんだよ』
え?あたしがあいつを?
ははっ…ないない…あたしあいつだいっきらいだもん
『恋ってね…いつ誰がどんな恋に出会うなんてわかんないのよ。嫌いだった相手を好きになる事だってたくさんある。むしろ嫌いって思うのは相手をそれだけ意識してるからなんじゃない?あたしは雫が今誰を想ってるのか、これから誰を想うのかなんてわかんないよ。だってあたしは雫じゃないんだから。あたしは雫が思うような恋をしたらいいと思うよ。でも、恋は素直が1番よ。後で後悔しないようにね。』
ありがとう…奈々
奈々のおかげで自分の気持ちに気付く事が出来たよ…
あたし、あいつが好きなんだ。
あいつと出会って好きになるまでにきっと時間はかからなかったと思うな。

あいつに…熊谷にこれを言ったらどうなるかな…
あいつはあたしを変な目で見るのかな…
だって…言いたいの…あいつに…

熊谷が好き って…。