……確かに大の大人1人が相手だったら追い返すことはできるけど、束になったらさすがのあたしでも抵抗は無理……。


それを……悠があたしから守ってくれていたんだ。


悠も苦しんでたんだ。



なのに、あたしはずっと自分だけ不幸な人だって、決め付けて……。


あたし、なんてバカだったんだろう。



「決まりね」


後ろから沙弥がにっと笑ってきた。


「行ってきな」

「うんっ」


沙弥があたしの背を押す。


同時に廊下に飛び出して駆け出す。


3組の教室に行ったらいないと言われたから、たぶん悠は……。



「待ちなさいよ」