「おはよ~」


朝の教室は騒がしい。


今日も門が閉まるところを滑り込んで、ギリギリセーフ!


隣の席でたまっている数人の女子は噂話をしているみたいだ。


「ないよね~」

「女に黙って浮気とかさ、最低」

「でも浮気する相手の女も女だよ」

「ほんと、浮気された彼女の身にもなってほしいよね~」


―――浮気。


嫌でも反応してしまう単語。


やっぱ浮気って、どこの世界にもあるもんなんだよね。


決して特別なことではなくて、あたしはその特別ではないことに巻き込まれただけ。


ただそれだけのこと。


いつまでもへこんでちゃだめだよね。


「てかさ、知ってる?それって相手の女が浮気させたらしいよ」

「まじで?彼女いたってこと知らなかったとかじゃなくて?」

「まあ、坂本さんがやりそうなことだよね~」




坂本さん?


坂本さんが浮気……?


てことは、その話はあたし達のこと!?