「はい、お疲れさま！」


近くにいた女子からドリンクを渡される。


「ああ、ありがとな、坂本」


悠に坂本と呼ばれた子……。


いつかの……あの子だった。


マネージャーだったって……こと？


「ね、終わったらどっか寄らない？付き合って欲しいの！」

「わかった。ちょっと待っててな」


そんなやり取りを見ていたあたしに悠が気付いた。


明らかに気まずそうな顔。


坂本さんは、あたしに気付きながらも明らかにわざと腕を組んでべったりしている。


「悠…これ、どういうこと？」

「えっと…ごめん」

「どういうことよっ。なんで、なんで…その子と……っ」


言いながらも涙が溢れてくる。


何それ。


ごめん…って……。


「夏川くんっ。あんた、浮気してたわけ！？そのマネージャーとっ！」


沙弥があたしの前に出て悠を問い詰める。


「………」

「美那で足りなかったの！？自分から好きだって言っときながら、自分から浮気するなんて最低っ!!!」


悠はずっと黙ったままだった。