「名前、なんていうの?」 あたしはとっさに 「にっ、西織 愛歌 ベニ学の3年3組…」 余計なことまで言ってしまった。 恥ずかしくなったあたしは 全力でその場を去った。 「はぁっ、はぁっ…」 家に帰ると冷静さが戻ってきて もうあの少年に会うことは ないだろうから 焦らなくて良かったのだ と思った。 あんな人、ベニ学にはいない …そう思った。