「…うぅ……。」 咲は都会に来てそうそう泣きたくなっていた。 あまりの人の多さに圧倒され、人に酔ってしまっていたのだ。 「タバコ臭い…、香水付けすぎ臭い…。気持ち悪い〜…。」 フラフラと進もうとするが人の波に押され、なかなか進めない上に、出口もたくさん在りすぎてどこに行けばいいかすら分からなくなっていた。 「…お兄ちゃん達どこぉ……。」 またも、フラフラと歩きだすと…。 『ドンッッ!!』 何かにぶつかった…。