『……ん……………』 「馬鹿…。飲み過ぎ…」 『…………桜祐が迎えくるまで寝てるねぇ〜』 「……俺きたってーの」 沙織をおぶった。 でもおぶった感じがしなかった。 軽くて空気みたいだった。 そして前に伸びた沙織の腕に気づかないわけがなかった。 「………っ」 だいぶうすくなったけれど白い肌にはまだまだ消えない、手首に2.3本の傷跡。 深呼吸をした。 「帰ろうな。」