「本当ごめんね。」
「いえ、僕が勝手にしたことなんで。あの、それよりなんかあったときのためにお兄さんの番号、彼女に聞いてもいいですか?」
「そうしてもらえるかな。桜祐君がいてくれて本当安心するよ。」
お医者さんは忙しい。
彼女とは全然会えてなかったんだろうな。
「なんだ。中入ってればよかったのに。」
先に向かったはずの彼女が部屋の前でしゃがんでいた。
『……鍵』
「………あぁ!!わりぃ…!鍵わたさなきゃ入れないよなそりゃ!………どうぞ」
…
『一人なの…?』
「まぁね。出身は神奈川なんだけど、大学を通学はきついし、一人暮らし始めた。」
『…そう』
彼女は部屋を見渡している。
なんだか物色されているようで恥ずかしい。

