どれだけ「家」に帰りたくないのか彼女の目を直視することで伝わってきた。
怖がるような、悲しい
そんな目と
決意の固い言葉と行動力に最初は言葉が出てこなかった。
でも…ほおっておいていいのか?
そう思うといてもたってもいられなくなった。
彼女は俺を馬鹿だといった。
俺も承知済みなのに。
それでも帰る場所のない未成年の子をほっとくこともできない。
お兄さんを頼ることが出来たのなら彼女はとっくにそうしたはずだ。
今の彼女の中には
誰もいないんだ。
それだけの理由で
親しいわけでも名前を呼び合う仲でもない女の子を拾ってしまったんだ。

