「お兄さんお医者さんだったんですか！……って一週間!?」
「友達のところに泊まってるなんて言ってたけど…､沙織には友達なんていないんですよ｡最近は高校も休みがちだしね」
「……」
やっぱり高校生か…
「でも村越さんのような人がいて少し安心しました｡」
「いや､でも俺は何度かあって､少しだけお話しただけですし､知り合いとまでもいかないんですよ」
「それでも妹は助かりました｡」
「………どうしてうちに帰られないんですか？」
俺がそう聞くとお兄さんは下を向いて小さく言った｡
「…俺が悪いんですよ｡あの子は何も悪くないんです｡俺が…」
言ってる意味がよくわからない｡
「あの子には俺しかいなかったのにな…」
そういって力無く笑った｡
「……その……………」
「あ､ごめんね…！意味わからないこと…あの､これからも沙織と仲良くしてもらえたら嬉しいかなってさ」
「………はい｡」
