「……祐、桜祐…!桜祐!!」


『うぇ…?お、おう?』




「なにぽけーっとしてんだよ。ちゃんとこいよ?スペルに7時だかんな!」




……?



「……スペル?」





友達の春樹はそさくさと教室をでていった。






全然話聞いてなかったよ。









「桜ー祐ー君っ☆」





遠くから走り寄ってきた彩が俺の腕に勢いよく抱き着く。



「あ…、なぁ彩、春樹たち今日何かあるって話聞いた?」



「春樹?あぁー合コンがなんとかって…まさか桜祐君もいくの!?」



合コン…



「うわっ…、えー!!返事しちゃったよ…!」



「やだよぉ!桜祐君が合コンなんてさぁ!!」




「俺もいやだし」




「それじゃ彩とデートは♪」




「それもむーり。」





俺は極自然に彩の腕を解いた。



「彼女いないならそれくらいいーじゃーん!!」





「俺は彼女以外デートはしなーいの。」



「んもぉー、じゃあ彼女になるまでどーすんのさぁ〜!」






彩はいい子だ
俺を好いてくれているのは何となくわかってるけど


彩とはそんなふうにはなれない



だから期待もさせない。