《裏切られるくらいなら一人のほうがずっと楽だもん》
だるい授業が終わった後、担任から呼び出しがあった。
なんの話なのかぐらい、把握済みだ。
「わかってるだろうが、お前そろそろ単位あぶねぇんぞ。進学どころか卒業も大丈夫かどうかだ」
『これからは毎日くるから』
「来るだけじゃダメだ。勉強にも力を入れなきゃいけないだろ?」
『あたし進学はしないから卒業さえできればいいんです』
「……お前なぁ…親不孝も大概にしないと。ご両親がそれを望んでいると思うのか?ましてやお前の家で」
『……親不孝』
「お前は少し吉野を見習わなきゃいけないんじゃないか?」

