『あたし、知らない人に心配されてんだぁ』
「…え」
『本当世の中腐ってるわりにこーゆーやつちらほらいるんだよね。理不尽〜』
そういうとふらふらまま立ち上がり、
『マスター帰る』
お金を置いて店をでていった。
「桜祐でもフラれることあるんだなぁ」
面白がって話すマスターに、
「今のはちげーだろ!」
とちゃんと突っ込む。
「沙織ちゃん可愛いでしょ?うちの常連なんだよ。」
「気つよそーな女の子だな」
「そうみえる?俺にはそんなふうに到底見えないよ。」
「……?」
マスターのその言葉は、俺に疑問を残した。
そのまま本題に入られたら聞く暇もなくなってしまった。
「そういや、今日は達也の命日だったな!」
「…あぁ!だから呑みにきたんだ!あいつここ好きだったしな!」

