「彩まで…どうして泣くの?」 伸也が私の細かい震えに気づいて、体を離した。 「伸也が泣くからだよ」 「……彩……」 伸也の右手の指先が私の頬の涙を拭った。 そして、そのまま落ちて……。 私の涙で濡れた下唇に優しく触れた。