【高校二年 春】
 
 あれから半年ほど過ぎていた。
 今、私の周りにいるのはあの時
 の三人ではなかった。
 亜由美も佐紀子も亜美も私から
 離れていってしまった。
 
 そう…私はあの頃とは違うんや
 
 
 “プルプルプルプル”
 
 『もっしー鈴?』
 
 『うん彩?おはよお』
 
 『今日また薬手に入ったんよ』
 
 『…ほんま?後で行くわ』
 
 『りょっかーい♪ほなね♪』
 
 
 この頃の私わいわゆる不良軍団と
 つるむようになっていた。
 そして…薬にも手を付けていた。
 それ以来仲がよかった友達はみん
 な離れていったのかもしれない。
 
 家に帰っても誰も迎えてくれない
 そんな環境がきっとあの頃の私に
 は耐えられなかったんだと思う。
 
 
 “ガチャッ”
 
 『お~…鈴♪待っとったで~』
 
 『なんか彩太ったんちやう?』
 
 『っんも~嫌やわあ鈴ったら♪』
 
 『嘘やって!むしろ彩最近痩せ
  すぎなんちゃう……?』
 
 『…そうなんよ。たぶん薬の
  せいなんやわ。…情けない。』
 
 『……あたしら馬鹿やねんから
  もうやめられへんよな…』
 
 “ピーンポーンピーンポーン”
 
 『…竜二かな?』
 
 『……せやな。』
 
 “ガチャッ”
 
 『可愛いお二人さ~ん
  薬持ってきたで~今回は
  2万にしといたるわ』
 
 『『………有り難う』』
 
 
 薬を見るとやめられなくなる。
 でも本当は彩も私はしたくない
 だけど…今薬をやめてこの輪から
 抜けたら竜二達はなにするかわか
 らない。…だから逃げれなかった
 
 だからこの生活を半年続けていた
 
 それから一ヶ月が経った5月……
 私の携帯が鳴り響いた。