私の頬をつたる涙を彼は指ですくう。




幸せな時間…。


このまま世界が、
止まればいいのに。

幸せな気分に浸っていると、
彼は急に悲しい顔をした…。


悲しい顔をしたそれは私にこう言う。


『ごめんな。一人にして…』

そう言って彼は、
私から遠ざかってゆく…。



私は段々、現実に戻されていくのが分かった。










彼…、春斗はもういない。