「夏海ちゃん、夏海ちゃん」
私はホームルームが終わると、すぐに夏海ちゃんのところに行った。
「ん?」
「これあげるー」
私は自分のピンクのボタンを差し出した。
「え・・・」
夏海ちゃんは少し戸惑ってる。
「だってコレ男の子にあげないといけないっていうわけじゃないんでしょ??男の子であげたい人いないし、、、。」
「でも優子」
夏海ちゃんが何か言いかけた時、
「甘い!!」
茜の声がした。
振り向くと茜が立っていて
「せっかく、今日はこんな素晴らしい行事があるっていうのに!これを楽しまない手はないじゃない!優子も男に慣れる良い機会だよ!」
私をビシッと指差した。
「え、え~・・・」
私が戸惑っていると
「私もそう思う。三学年合同だし、渡したい人くらい見つかるんじゃないかな?」
夏海ちゃんまで・・・
「だな!!」
いつのまにか絵真ちゃんもいた。
「・・・分かった」
三人全員に言われるとどうしても負けちゃう私。
今日は憂鬱な一日になりそう。

