「狭也様ー!!どこにおられるのですかー!」



白神狭也の乳母・雫。


「どうされた雫」


兄・白神捺哉。



「狭也様が見つからぬのです!捺哉様はどこに行かれたか分かりませぬか?」




「狭也?狭也なら白岑山(シラミネヤマ)で与那と遊んでるのではないか?」



その返事に雫はホッと胸を撫で下ろし、一つ溜め息を吐いた


「与那殿がご一緒なら安心できますね」




「こら雫。二人がいないときは光火与那(ヒカリビノヨナ)様とお呼びなされよ」




「も、申し訳ございません」


そう言って頭を下げる雫に苦笑してそっと肩に手を添える

「そう気に召されるでない雫。私は責めてるのではないのだ、以後気をつけてくれればそれでよい」

優しい言葉に雫は顔を上げ、「はい」と消えそうな声で返事した。