「…ほら、捕まえた」


網の中に手を入れたまま、少年は、にっこりと私に笑いかけた。


「良かったね。空に飛んでいく前に捕まえられて」 


 ゆっくりと網から出された右手。

キレる子供ではないのは分かったけれど、不思議君だ。