若い女の声がした。ドキドキしながら、ゆっくりドアを開けた。

次に若い男の声で、

「朝比奈さん、どうぞ」

「……失礼します」

中へ入ると、メンバー五人と、若い女が一人。計六人。

「急に呼び出しちゃって、ごめんね」

「いえ、大丈夫です」

聡は煙草の煙を吐き出し、言った。すると若い女が、

「この子、誰?」

「いっちーの知り合いの、友達」

ベースの英明がすかさず言う。

「そうなんだぁ。あ、私は稲垣はるかって言います。このメンバーとは仲が良くて、特に聡と準平とはもう古いつきあいなんだけど……」

「マネージャーみたいなもんだよな。はるかは」

ベースの英明が、はるかをヨイショする。

「本当にはるかには世話になりっぱなしだよ。差し入れとか持ってきてくれたり」

「はるかがいなかったら何もできないよなー。野郎どもの集まりだから」

ギターのヤスも、ドラムのいっちーも、みんなはるかに気をつかっているように思える。そして、聡も。