「みなさん! こんばんは!」
キャアァ~!
キャアァ~!
「東京もやっと梅雨が明けてね、うん……暑いね。でもね、暑いけどスッゲー盛り上がっていくぞー!」
黄色い歓声が狭い会場を包み込んだ。
私は、ライトアップされた準平の顔を見つめていた。
が、準平の斜め後ろで水分補給をしている聡のことも気になり、見てしまう。準平と聡……交互に見ていた。申し訳ないが他の三人には目がいかなかった。むろん、菜々の知り合いの、いっちーにも。
本当に、楽しい一時はあっという間で、
ちょっと大げさかも知れないけど、まるで夢の世界にいるようで、
私は子供みたいに、はしゃいでいた。
たった1時間半の夢の世界から、現実の世界へと引き戻され、また普通の生活をしていくのだ。
………………
ライブが終わり帰ろうとした時、携帯が鳴った。
ディスプレイには、
〈丸山聡〉
………!!!
「は、はい!」

