紙おしぼりで手を拭き、足りないと言っては自分のバッグから携帯用のウェットティッシュを取り出し手を拭く。また、あり得ないことにスマホを見だした。LINEをはじめたいけど友達が少ないとか言っている。瞳もはじめようよ、と言われたが無意識に断っていた。いつもなら菜々の誘いは断れずにいる私だが、今は……今だけはキッパリと断った。別にLINEをはじめるとか、はじめないとか大した問題ではない。ただ、なかなか本題に入ろうとしない菜々にイライラしていたのだ。
私は何しにここまで来たのか。人を呼び出しておいて、いったいどういうつもりだ。いつもなら、こんなマッタリした時間はいつもの私達だ。でも今は違う。私は菜々に話があると言われて呼び出されたのだ。
菜々はまだスマホを見ている。
「菜々」
私はたまらず声をかけた。このままではスマホを見て終わるような気がしたから。菜々は、きょとんとして私を見ている。
「話ってなに」
「……」
「ねぇ、話って」
菜々はうつむき、静かにスマホを置いた。
私は何しにここまで来たのか。人を呼び出しておいて、いったいどういうつもりだ。いつもなら、こんなマッタリした時間はいつもの私達だ。でも今は違う。私は菜々に話があると言われて呼び出されたのだ。
菜々はまだスマホを見ている。
「菜々」
私はたまらず声をかけた。このままではスマホを見て終わるような気がしたから。菜々は、きょとんとして私を見ている。
「話ってなに」
「……」
「ねぇ、話って」
菜々はうつむき、静かにスマホを置いた。

