許せない……

なぜ……なぜ私を誘わなかった?

女二人って……どこの女? まさか、ファンの子達? まさか……こないだ楽屋に来てたあの子?



色々考えれば考えるほど怒りがこみ上げてくる。自分は誘われなかった……プライドの高いはるかは屈辱的な思いをしていた。

ムシャクシャする。不意に冷蔵庫を開け、ストックしてあったビールを取り出し半一気で飲んだ。一息ついてから、冷蔵庫のドアを乱暴に足で閉めた。その反動で古い冷蔵庫は再び開いた。

チッ……

イライラしながら舌打ちをする。

アルコール類はほとんど飲んでしまった。酔っ払って立ち上がることもできず、床にベタっと座ったまま窓の外を見ていた。朝から太陽が部屋に差し込み、古い畳を照りつける。今日も暑くなりそうだ。カラスがハスキーな鳴き声でカァカァとうるさい。イラッとくる。



聡と準平を待つ間もなく、はるかはアパートを出て、古い階段を降りた。酔っ払ってるせいか足下が定まらない。ヒールの音が不規則に反響する。