焦る気持ちを抑えながら、とりあえず今日一晩は待ってみよう。と自分を落ち着かせた。



気を紛らわすためにテレビをつけるが何となく集中できない。途中、トイレに行く時も携帯は肌身はなさず持って行く。いつ連絡が来てもいいようにだ。



そして、もうすぐで日付がかわろうとした頃――

電話が鳴った。ディスプレイには“丸山聡”とある。驚きのあまり、一瞬心臓が痛くなった。なるべく平静を装おう、と心に決めてから電話に出た。

まず、どこにいるかを聞いた時……

準平や、いっちーとキャンプに来てる……このことに怒りを感じた。それから次に、女の子二人も一緒だ……この答えには怒りと共に不安に駆られた。携帯を持つ手が段々冷たくなってくる。震えてくる。

明るく振る舞うように頑張ってみた。せめて電話で喋ってる時は――



早々に電話を切ったあとも緊張のような心臓の鼓動は止まらず、真夏なのに手も冷たいままだ。

自分を差し置いて男女混合でキャンプ……