なにがあったのかわからない…、家を出てからの記憶がない、目の前には5人の男が倒れている…
私の周りには……
血
目の前の男たちの血ではなく私から流れているようだ、
痛い
刺された記憶だけ残っている、ぶつかって来た男が手にしていた“なに”かは、ナイフだったみたい。
痛いなぁ
とりあえず風雅に行こ!
風雅に向かいながらさっきのことを考えた。
頭が真っ白になる前まではかすかに覚えてる、
でも刺された後のことは何も覚えていないまるでもやがかかっているみたいな…
なんて考えているうちに風雅の倉庫に着いた。
カツラが外れていないか確認して扉を開けると
扉の近くに居た人が私を見て隣の人に何か小声で言うとその人は何処かに行った
ボーっとしているともう一人が私に近づいてきた
「誰だテメー?」
「えっ?あっ!俺は…」
バタンッ
奥にあった扉を勢いよく開けて出てきたのは疾風さんだった、私を見るとにっこり笑って走ってきた。
「久しぶり零!来てくれたんだな!」
「久しぶりです」
相変わらず人なつっこいなぁなんて思っていると、疾風さんは私の腕を見て眉間に皺を寄せた。
「零…腕どうしたんだ?」
「あ、これさっきここに来る時にこの前疾風さんを闇討ちしてた奴等にやられたんですよ」
急に疾風さんは、刺されてない方の私の腕を掴んで奥の扉までひっぱったそして扉を開けると、
「慧、零が朱雀の奴等に刺された」
そう言うと後ろに居た私を部屋に押し込んだ。
「わっ!」
背中を押されたから前のめりになって危うくこけるところだった、もう!と思って疾風さんを見ると苦笑いしていた。

