零said
ものすごい音がしたと思ったらwindから慧が出てきた
「慧ぃー、どうしたー?」
ボーっとしているみたいだったから声をかけると
おぼつかない足取りでゆっくり降りてくる
慧を見るとなぜか顔にわずかな微笑みを浮かべている
いつもほぼ無表情な慧が珍しい…
慧はゆっくり歩いてきて私の近くに来ると
手を広げ固まった
えっ?何?
首を傾げていると慧がゆっくり倒れてくる
「危ない!」
そう言ってとっさに抱えに行く
…が身長差約30cm
チビの私が慧を抱えれるわけもなく…
慧と一緒に倒れる寸前。
それでも何とか堪えていると慧の肩越しにのんびり階段を下りて来る恭耶が見えた。
早く来てよーー!
心の中で叫びながら横目で慧を見ると、顔が赤いような…
慧を支えている手を頑張って動かして慧の額に当てると
熱い!
慧、熱あるじゃん!
慌てて恭耶の方を見るとすぐ近くまで来ていた
「恭耶!慧が」
そう言って恭耶に助けを求めると
恭耶はため息をついて
「いつものことだよ」
と言った。
いつものこと?ってなにが?
困惑していると恭耶が慧を起こそうとする。

