2人で仲良く写った写真を眺めながら、俺は一粒の涙を零した。


携帯の画面に、涙が伝っていく。



「涼、大丈夫か…?」


「おう……っ」



本当は大丈夫なんかじゃない。

高校生の俺には、受け止めきれないくらいの事実。



泣いたってどうにもならない。


美海が死んだことに、変わりはないのだから。


今日来ているこの場が、美海の葬式を行う場所であることにも、変わりはない。



『かわいそうにね、飲酒運転だったらしいわよ。』



周りでコソコソと話すおばさん達の声が、痛いくらい耳に入ってくる。