あたしと有明はクラスが別。
有明が教科書を借りに来ない限り、昼休みまで殆ど会うことはない。
「じゃあ、昼休みに迎えに来るから。」
「うん、じゃあね。」
手を振って別れると、気分が重くなってしまう。
嫌がらせされてることが、有明にバレたら何て言われるかな…
俺のせいだ、と自分を攻めるかもしれない。
絶対にバレちゃダメだ。
こんなの、無視してたらいつか収まる。
それまであたしが耐えればいいだけの話だ。
「おはよー」
ガラッとドアを開けて挨拶すれば、近くにいた子達は「おはよう」と返してくれた。
別にクラスが嫌なわけじゃない。
むしろ、親友の奈々と同じクラスっていうのはありがたい話だ。



