自分の席まで戻って弁当を掴んだ瞬間、机の上に水滴が落ちた。 「姫仲、行こ。」 「あぁ、うん。」 ほっぺを触ると、手に水が着いた。 あぁ、みんながこっちを見ている理由はこれなんだ。 あたしも人なんだから、泣くことぐらいあるってのに…… 弁当を持って有明の方へ向かう。 その間も、有明は心配そうな顔でこっちを見ていて、余計に泣きそうになった。