奈々が走っていく姿を見て、あたしも教室に弁当をとりに戻る。



「姫仲っ」



後ろからついて来る有明を無視しながら歩いて行く。



「おーい、姫仲。 せっかく2人なんだから何か話そうぜ。」



「…………あんたから話せばいいじゃない。 あたしは話したいこと何もないし。」



有明に興味がないから、何も知らないし、話題が見つからない。



「俺、あんたじゃなくて有明涼! 俺は姫仲って呼んでんだから、平等に名前で呼べよ。」


どーでもいい。



「あたしは名前で呼んでって言ってないじゃない。」



―――――――ガラガラ…



「そうだけどさー…」