大切なもの



私は必死でみんなのほうへ走ったけど、おいつかない。

叫んで、

走って、

でも、おいつかない。

『まって…』

どんどん遠くなってゆく家族を見つめながらその場に崩れた。

『う…っヒクッ…ッ…な…んで……なんでいっちゃうの…ヒクッ…どぉして…ねぇ…お願い……グズッ…1人に……しないで…』