あたしは必死にドアを叩いた。
「開けて!誰か開けて!」
どんなに叩いても誰も来ない。
助けて・・・。
陽太・・・。
あたしはしゃがみ込んで涙を流した。
こんなところで一人。
誰にも気づいてもらえない。
「ひっ・・・んっ・・・」
涙が止まらない。
どうすればいいの?
誰か・・・答えをちょうだい。
こんな時・・・浮かぶのは君の顔。
助けてよ。陽太。

【陽太Ver】
帰りに言い忘れたことがあったから光莉を探しに玄関に行った。
玄関には光莉の姿はなくただ女子がいっぱい居た。
「光莉しらない?」
俺が近くに居た女子に話しかけるとその子はいいづらそうに、
「さっき・・・ほかのクラスの女子が光莉ちゃんを連れて行ってたよ」
んなことを口にする。
まじかよ。
遅かった。
俺と日和は探し回った。
そしたらすげぇー大群の女子がいた。
「まじうけるし~ずっと泣いてろっての」
その会話が聞こえたから、
「その話詳しく聞かせてくんない?」
俺は一人の女の腕を掴んだ。
そいつは中々言わないから俺が顔を近づけたらようやく言った。
女子は日和にまかせて俺は体育館に向かった。
光莉!!!

【光莉Ver】
「ガチャッ」
泣いてる時に鍵の音がした。
あたしは涙で腫れてる目でドアに視線をやった。
そしたら・・
「光莉!」
そこに居たのは陽太の姿。
安心しすぎて言葉もでなかった。
「こ、怖かった・・よぉ」
あたしは陽太に抱き着いた。
陽太はあたしを強く抱きしめ頭を撫でる。
「来てくれないと思ったよぉ・・・」
「言ったろ?光莉は俺が守るって」
「ふっ・・・」
「遅くなってごめんな。怖かったよな」
「んっ・・・うっ・・・」
「もう大丈夫だから俺が傍にいるよ」
「・・うんっ」
「光莉・・・」
「・・・んっ」
「俺が一生守ってやっから俺の女になって」
「・・・うんっ」
嬉しかった。
もう一人じゃないって思った。
その瞬間涙が止まって・・・意識が朦朧とした。