次の日、あたしを待ち構えていたのは
嬉しさと、大きな感動だった。
朝、家を出ると聞きなれた声。
「おはよー!」
「奏っ?!…なんで家の前にいるの?遠いでしょ?」
奏の家はあたしの家より、学校に近い。
だから、奏がここに来るのは遠回り…というか
いわば逆走になってしまう。
「大丈夫!こいつが家教えろっていうから!」
「…瀬川…君…?!」
「…はよ。余計なこと言うな、相原」
「はいはい。んじゃ、行くわ!」
あっけらかんとした様子で
ばいばーいと手を振って
学校の方へ向かっていく奏。
「…じゃ、いこ。瀬川」
「…うん…」


