その時だった。

いきなり奏の頭を誰かがパコーンとはたいた。


「―――った!」


奏が頭を押さえてしゃがみこむ。


あたしはあわてて奏のもとへ駆け寄って、「ちょ、大丈夫!?」と
声をかけた。


「井上のやろぉ…っ」


「いのうえ?」


誰だろ、それ?



「初めまして、井上亮です」


あたしよりすこし背が高いぐらいの
瀬川くんに比べたら小柄なオトコノコ。


「よろしく。瀬川美奈です」


「井上!よくもやったなっ!今日のお前のアップは3倍にしてやる!」


「うえっ、ごめんって!」



アップ?じゃぁバスケ部かな?