君が好き!





「はいぃっ!?だって…はははっ」



急に爆笑し始める瀬川くんに、
今まで冷たい王子様、というイメージだったのが急に崩れる。



「…え?」


「あぁ、おれ実はさ、さっきみたいな超クールみたいな感じで思われてるけどさ…実はこんなキャラなんだよね!」


ぶいっ、と瀬川くんがピースする。

その姿にあたしは言葉を失った。




「あ…そうなんだ…」



「ちょっと、瀬川!この子になにやってるの!?」

奏が帰ってきた。


「何って…。自己紹介?」


「自己紹介って…」


「やっぱりさ、初めましてだから声かけないと。それが礼儀だろ?」


「礼儀って…あたしの大好きな美奈が引いてるでしょ!何言ったの!」


「いや、クールじゃ無いキャラを告白した、みたいな?」


「お前はぁ~~!」

ギャーギャーと言い争おうとする二人に、


「あ、のっ!」


と声をかけるとそこで二人がピタリと動きを止める。



「二人は友達なの?なんだかすごく仲がいいけど…」


と気になっていたことを聞くと。




「「いや、これ初対面」」


「えーっ!?」



今度はあたしが叫ぶ番だった。