興奮冷めやらぬまま教室へ帰ったあたしたち。
「木下先生って、まじめそうだよね。どうなんだろ?」
「なんか、めっちゃ厳しいって聞いたことあるかも…」
「うそーっ…天国と地獄?」
皆のひそひそ話を聞きながら、
奏が「大丈夫かな…?」とつぶやいた。
だって、確かに怖いっ…。
吉崎先生は担任の先生として、とか直接関わったことはないけど、
先輩たちの評判を聞いてたら絶対にいい先生だもん。
「ねぇねぇ、瀬川さん、瀬川さんはどう思う?」
「へっ、あ、あたし…?」
「そうそう、俺らはさー、木下って絶対厳しいと思うんだよね」
男子ってちょっと苦手…。
小さいころから怖くって。
なんでかはわかんないけど。
「あのっ、あたし…は…。」
「瀬川さんは?」
怖くて、奏をちらっと見ると、
奏はほかの友達と話している。
ど、どうしよ…


