恋するデパートガール




やだ、これ以上近付かないでよ。


あたしの中に入って来ないでよ。



「あんたなんか..キライ」


口から出た、今のあたしに出来る精一杯の拒否も


「この前はあんなに嫉妬したくせに?」


クスッと笑って距離を詰めてくる。


それに合わせて広めようと一歩一歩下がると


トンと、背中がひんやりと冷たい。


もうこれ以上逃げられない。


「あれは嫉妬じゃない!あたしはあんたなんかキライなのよ」

「この前ホテルに来たのは..」

「そんなの!あたしには関係な」

「認めたらどうです?俺が好きって」


何?

何なのコイツ


本当にムカつく。


でも


その言葉とは正反対の


優しいキスに

怒りがすーっと抜けていく。


ってこれじゃああたし

また流されちゃう。