恋するデパートガール



「カッコいいし、男前だし、スマートだし。その上金持ちでしょ?
あたし今日合コン行くの止めよっかなぁ~」

キラキラし出す、千尋の瞳。

うわ、始まったよ、男を狙う時の目だよ。


そんで狙った獲物は逃さないもんな~。

さすがは魔性の女だ。


「へー、平野さんって合コン行くキャラなんだ」

背中に感じる変な感じ。

嫌な予感がして振り向くと、

「げ、西島」

噂をすれば何とやら...

例の西島がニコニコ笑顔で立っている。


「しかもいきなり呼び捨てかよ」

クスッと笑いながら隣いい?なんて質問しながら座って来る。

生憎12時を丁度過ぎた今の時間は社員さんも店員さんもお昼を取る人は少ない。

だから当然あたしの反対側は空いてるわけで。

つーか、他にも空いてる席あるのに..

なんて思ってると

「キャー!!西島さんですか!?あたしぃ~鳳塚千尋って言いますぅ~」

超ぶりっこ声の千尋が席を立ってあたしを押しのけ、西島の隣に座った。

出た出た、千尋の必殺技。


これで大抵の男は落ちるんだよね。

「鳳塚千尋..聞いたことあるよ、確か1階の受け付けしてるんだっけ?」

「知っててくれてるんですか、あたしの事!!」

「可愛いからね、そういうのはすぐに話が広まるんだ」

「やだ、男の人達ってどんな話してるんですかぁ~?」