恋するデパートガール





「お疲れ、千尋ちゃん」

次の日。

いつものように出勤したあたしに珍しく声をかけてきたのは西島さんだった。

「おようございます、西島さん」

時刻はただいま11時30分。

今この時間に社員出口にいるって事は、西島さんも遅番なのかな?


「なかなか会わないね、俺たち」

「まぁ勤務場所も違いますからね。仕方ないですよ」


にっこり笑って階段を下りる。



「千尋ちゃん、元気そうだね。いいことあった?」

「え?」

びっくりして西島さんを見ると

「やっぱりいいことあったんだ」

あたしに視線を向けてから前に向き直る。

「いい事なんて・・」



あれはいいことなの?悪いことなの?

いまいちよく分かんないけど。

でもあいつと過ごした時間確かに本当によかった。

なんて言うの?


あんなに体も心も満たされたのは初めてだった。

何回イったかもわかんないし。

って違うそんなこと考えなくてもいいっつーの。


「あたしよりも、西島さんの方はどうなんですか?」