千尋の叫びを聞いてその数日後。
「おはようございます」
いつものように売場に入る前に、事務所に寄って必要書類を受け取る。
事務所には今西島さんしかいなくて。
「おはよう」
気まずい雰囲気が流れる。
「えっと、前年対比の書類をいただきたいんですが」
「それならそっちの棚だよ」
「あ、りがとうございます」
ドキドキドキ。
緊張が高まる。
確実に前よりも好きな気持ちが膨らんでる。
どこが好きかと聞かれても答えることは出来ない。
でもあたしは好き。
この人が、好き。
「あの、西島さんお話が」
「仕事の話?」
そっけない瞳で見られる。
冷たい視線、
そんな目で、見てほしくないのに。
「いえ、仕事以外なんですけど」
「だったら後にしてくれない?」


