黒くて目にかからない少し短めな前髪。
そのおかげで、切れ長で綺麗な瞳が見える。
通った鼻筋。
まぁまぁ整ってるっていうんじゃない?
「西島悠一です。宜しくお願い致します」
その西島マネージャーが深々と頭を下げる。
「宜しくお願いします~!」
フロアマネージャーの時とはまたえらい違いの大きな声。
特に女の人の声がすごい。
「西島マネージャーは菓子担当だ。これから宜しく頼むよ。
それじゃあ解散!!」
その声にみんなが売り場に戻る。
...はずなのに、今日はいつもと違う。
「西島さんっていくつなんですか?」
「西島さんって今日何番なんですか?」
「西島さんって」
こらこらこら!!
開店5分前に何やってんのよ。
女の人達に囲まれた西島さんは少し困った顔でキョロキョロしてる。
まぁあたしには関係ないし。
くるりと反対を向いて売り場に戻ろうとすると
「すみません、島屋さん!!」


