まっすぐ直視出来ない。

これはあたしが意識してるから?


やだ、あたしってば。

まだ大地の事、忘れた訳じゃないのに。

「詩乃」

名前を呼ばれると

「!?」


急に唇が重なる。

暖かくて、優しいキス。

こんなの逃げればいいのに、それですむはずなのに。


「んんっ..」


あまりにも気持ちよくて、心地よくて

自然と首に手を回してしまう。

瞬間にコトンと空箱が落ちて
その音を拍子に唇が離れた。


「ちょっと来て」


「え」

訳が分からないまま、腕を引っ張られると

さっきの倉庫まで連れて来られた。

「ちょ、西島さん?」

質問するあたしに

「誘って来たのは詩乃が先」

そう言うと

「んんっ!」

再び唇が重なる。