恋するデパートガール


必死に記憶をたどっても思い出せない、顔と名前。


「はい、実は先月あなたと一晩共に過ごしたのですが覚えてらっしゃらないでしょうか」

“そんなものいちいち覚えてるわけないでしょ?”

何て言葉は口にしない。

「はい、覚えてますよぉ!この前は本当にすみませんでしたぁ~」

取り敢えず思ってもない事を口にしてみる。


嘘も方便っていうでしょ?


「良かった、思い出して頂けて安心しました」

ほっと息を吐くわりにはあまり安心したような顔はしてない。

ってこの人さっきから無表情なんですけど。


「あの、それで何でしょう..私これからお昼を..」

あんたとこれ以上話をしてる暇なんてないのよ!!


「はい、お手間は取らせません。実は先月あなたと一晩共にしてからずっと罪悪感
ばかりが残っていました」

そんな事言って。

本当はどうせ惚れたとか言うんでしょ?

残念でした。

こっちはちっとも何とも思ってないのよ。


「はい」

断るのは100パーだけど最後まで話を聞いてあげるあたしって
何でこんなに偉いの?


「それで思ったのです。責任を取ろうと」

「は?」

責任って...何の?

「あなたと性交渉した責任を私に取らせて下さい」