恋するデパートガール


今野が嘘を付くとは思えないし。

あたしはこいつの百貨店で働いているけれど、一緒にずっと働いてきた
今野の方が信用出来る。

例え間違っていたらそれは信じたあたしが悪いだけ。

だから

「あたしは今野を信用します」

まっすぐ、見つめると

「了解!君がそう言うなら俺は信じるよ」

西島さんはぱっと笑顔を見せると行ってしまった。





それから必死に商品をそろえて熨斗をつけ、包装した。

その数十分後。


「出来てるか?」


滝本様がご来店された。

ちょっと待ってよ・・滝本様って、もしかして

あの滝本組の滝本様?


「お待ちしておりました、滝本様」

サーッと血の気が引く。

こういう人たちの接客って何人もなれてるはずなのに

この人のオーラがすごすぎて、お菓子売場が一瞬で静かになる。


「お品物はこちらが50箱。表書きはこちらでよろしいでしょうか?」


商品と熨斗の見本を見せると

「おい」

その睨み一つが体を凍らせる。

「はい」

何とか口にすると