「先輩、なんかおかしくないですか?」

「私に言わないでよ」


部室から出てきた先輩は、持ちきれないくらいたくさんの紙袋と一緒だった。

中身は言わなくてもわかる。
甘い匂いが微かに香るし、今日は2月14日、バレンタインだ。


「モテモテですね」

「女の子にモテてもあんまり嬉しくないんだけどねー」

「男にもモテてますよ」

「そりゃどーも」


先輩は学校中の人気者。
女からも男からも年下からも年上からも慕われる先輩、実は俺の彼女だったりする。