「そろそろ観念して、俺のもんになっちゃえばいいのに」


勝ち気なトーン。

むかつくむかつく。


「俺はこんなに好きなのにー」

「うるっさい」


勢い任せに叫ぶ圭介の背中を殴る。





私達を乗せた自転車は、スピードを緩めることなく学校に入っていった。

28分。予鈴はとっくに鳴り止んでる。


自転車置き場から4階の教室までダッシュだろう。


この話はなかったことになる。
いつものこと。はぐらかすのは、もう慣れた。


「ほらっ、行くぞ!」


自転車を止めて猛ダッシュ。

どさくさに紛れて握ってきた手は、仕方ないから振り払わないでおいた。




【まだ、ないしょ】

(まぁ、バレバレだろうけど)



end.