「あーぁ、」 帰ってきた。 時計の短い針はまだ12を回ってもいないのに。 家には誰いなかった。 日曜日のお昼、私の家はほとんど外食だから当たり前だ。 スイッチを押し上げると、パチンと虚しく音が響いて部屋の電気が点(とも)る。 「あーぁ、」 玄関で言ったのと同じことを呟いて、ソファーに深く沈んだ。