急いで、トイレに向かった。 トイレの前には、心細そうにポツンと1人で希が待っていた。 「希ー!! ほんとごめんね!!」 「朱希ー!! 遅すぎ!! もう顔乾いたよー」 希は、怒ってないみたい。 「ほんと、ごめんね。 途中で、香山先輩に会っちゃってさ!」 「香山先輩って誰??」 希が私にたずねた。 「えと、あのいきなり私にキスしてきた先輩!」 「あーー! 香山先輩って言うんだ。 うち、香山先輩見てみたい!」 (え…… 私、もう香山先輩に会いたくない…) そう思ってた。