下心のないアタシ達のメールはたわいも無いもので、最初のやり取りは覚えていない
もちろんお互い家庭があることも告げていた
《俺、リホちゃんが住んでいるA県には年に一度は出張で行くよ》
〈そうなんだぁ
近くだったら一緒に飲んでみたいね
でもケイタくんが来るのはB市かな?
アタシが住んでいるのはB市からは結構遠いよ〉
遥か南から出張で来るのだからアタシはすっかり県庁所在地のB市とばかり思っていた
《俺が行くのはC市だよ
リホちゃんが住んでいる所とは遠いよね》
アタシはベッドから起き上がり
〈ホントに?
アタシが住んでいるのはC市だよ!〉
《マジで!凄くない?
出張で行くときは必ず連絡するよ》
この時は年に一度の出張でまさかそのタイミングまでこのやり取りが続くとは思わなかった
