「僕の隊長に何かしたら許さないからね」
僕はその女の子の手首を離してやる
その女の子は一目散に走って行ってしまった
「やはり白石隊員は王子では無いな。今のは王子と言うより魔王に近かったぞ」
そう言って僕の隣に並ぶ謙
僕は謙の頭をソッと撫でる
「実は僕魔王なんだ。王子なんかじゃないよ」
僕は嫉妬深くてワガママで、誰よりも負けず嫌いで王子様になんか程遠い
「魔王だと!?ならば此処で倒さねばならぬ!くらえ、超時空破壊デコピン!」
そう言って謙に顎をデコピンされた
そのデコピンは地味に痛くて、でもどこか優しかった
「白石隊員、よく私を守ってくれた。給料を上げてやろう」
給料?え、これって給料貰えたの?
何て聞くのは野暮だ
僕は謙の手を引いて歩く
「これからも隊長は僕が守りますよ」
そう言えば、謙は満足そうに笑った